60センチ水槽台の自作~材料の切り出し&組み立て編~

60センチ規格水槽
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シンプルかつ堅牢な水槽台の作成を目指す

水槽台の自作のために、ネットで先達の力作を参考にしつつ、ホームセンターで材料を集めた次第だが、今回は、材料の切り出しと組み立ての様子をご紹介したいと思う。

まず図面は前回ご紹介したとおり、幅62センチ奥行き40センチと60センチ規格水槽のサイズからいうと若干余裕を持たせた設計だ。

骨組みはツーバイ材、正確なカットはこのようにした

材料は1820cmのツーバイフォー材、前回の木取り図のとおり、3本必要となる。

なお、木材の切り出しには、ホームセンターでカットしてもらうこともできるので、手間だと思われる方は有効に利用するとよいだろう。多くのホームセンターでは「パネルソー」という木材の切断工具を備えており、確実に木材を直角にカットしてもらうことができるのだ。

水槽台を作成するうえでは、木材のカットの精度は非常に重要となる。長さもそうだが直角に切断できてないと、安定した台ができず危険である。

しかし、パネルソーも欠点がないわけではなく、パネルソーを操作する店員さんの腕に左右されたり、刃の状態が悪いと、切断面にいわゆる「バリ」(ささくれ)がでたりする。また、とあるホームセンターのカットサービスでは、刃の厚み分の誤差は許容するようにとの断りが書いてあったが、誤差は極力なくしたいというのが水槽台を自作するうえでの本音だ。

そこで、今回は木材カットは自分で行うこととした。というのもある器具を購入したところ、予想以上に正確にカットできたからである。

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ライフソーガイドという製品、これは、木材を直角、あるいは45度に、また、直線で板を正確に切り出すための補助具。あまりにも直角にきれいに切断できるので、例えば、補助具なしでは到底切れそうにもないほど薄く正確に直角を出し切断することも可能だった。

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切り出しを終えた木材は、表面をサンダーで磨ききれいに整えておくこととした。

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左二つの部材が上面の「日の字」の部分、右の部材が脚となる部分だ。こうしてみると意外と構造は単純である。これにねじ止めをする部分に印をつけていく。

ねじ(コーススレッド)で組み上げる

ねじは、強度を十分に発揮するため、対角線上の4か所を正確に位置決めした。ねじ位置を決めるには「ツーバイフォー定規」という製品があり、これは作業がはかどる良品であった。

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組み上げに用いるねじは「65mmのコーススレッド」というもの、今回は水槽台という性格上、水がかからない可能性はゼロではないので、割高ではあるが、さびや腐食に強い「ステンレス製」のものを使用した。

なお、ねじの長さを決める基準は接合する材料の2倍あればよいといわれ、ツーバイフォーなら短い辺が38mmなので、適切なねじの長さは、その倍の76mmあればよいということになる。

しかし今回は、台の前面の見える場所は、丸棒を打ち込みねじ穴を隠す処理をするので、穴の深さ分を差し引いた、65mmを採用した。

台は水平を保たねば意味がないので、組み立ては水平な場所で行うのが良いだろう。組み立ての順番は特にこれといったものはないと思うが、上面の「日の字」部分を先に組み立て、それに脚部を取り付けるとやりやすいと思う。

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作業中も時々水平を保ち、ガタつかないかを確認しながら作業していくといい。

なお、組み立てには仮止めしてねじ止めするため、クランプ類は必須。それから、ねじ止めは手作業は間違いなく無理なので、電動ドライバかインパクトドライバの使用も必須だろう。

ドライバを回す過程でずれが生じる場合は、2.5mm~3mmほどのドリルで下穴をあけてねじを打ち込むとやりやすかった。

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きれいに仕上げるコツとしては、表に見えなくてもいいねじは裏から打ち込むと見た目がすっきりする。

どうしても見える場所は前述のように、10mmドリルで深さ10mmの穴をあけ、ねじを打ち込んでから丸棒でふたをすることで見た目もすっきりと仕上げられる。

丸棒は、木づちで打ち込み、はみ出た部分をぎりぎりまでノコで切断したうえ、サンダーで磨く方法をとった。

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いよいよ塗装工程に入る

とりあえず、組み立ては完了、後は、この骨組みにパイン集成材(板材)をボルトで固定していき完成だ。

切り出したパイン材もツーバイ材と同様にサンダーで磨き上げ、ウレタン塗装とした。

和信化学 アクレックスNo,3400 木部用ウレタンクリヤー 1kg

塗装方法は、あらかじめサンディングシーラー(目止め材)を塗布して研磨した後にウレタンニス塗り重ねた。

ニスは完全に乾燥してから塗り重ねる必要があるため、最も時間を要した。

ウレタンニスは最終的に800番1500番2000番の水研ぎペーパーで研磨する。これは手作業で水を加えながら磨いていく。

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耐水ペーパー2000番目まで磨き上げた後は、さらに自動車用のコンパウンドを用い、電動ポリッシャーで磨く。

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最終仕上げはワックスがけだ。

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鏡面仕上げでちょっぴり高級感をプラス

光沢のある鏡面仕上げ、もちろん水槽という性質上重要な防水性も兼ね備えている。

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シンプルな外見ではわからないが、中にはツーバイ材の骨組みがしっかり通っている堅牢な台ができた。人が乗って揺らしても平気だ。

それに45センチという低さは、重心が低いということでもあり、万が一の地震の際にも水槽ごと台が倒れるという惨事を防いでくれることも期待している。

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水槽をのせるとなかなかいい感じになった。

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扉の取り付けについて

ご質問の多い「扉の取り付け」について触れておきたい。

扉の取り付けには丁番を用いることになるのだが、今回はあまりよくわからずに「スライド丁番」といわれる丁番を使っている。しかし、今回の設計図においては、水槽台本体と扉の厚みが異なっているので、そのままでは取り付けできない。

水槽台本体側の柱を削って無理やり取り付けているのだが、私のような「日曜大工の延長線上の技術」だと、施工は困難を極めた。

したがって、もし扉の丁番のことでお悩みなら、シンプルなネジ止めの丁番を使われるのをお勧めしたい。

これは小動物のケージ用の台として作ったものだが、外側からねじ止めするのではなく、内側を数ミリほどノミで削れば収まりよく施工できる。

コメント

  1. ほわいと より:

    コメント失礼します!

    扉はスライド蝶番で取り付けているのでしょうか?

    • 25年ぶりのアクアリウム より:

      コメント遅くなり申し訳ありません。
      将来的に隣に水槽台を増設したときのことを考え、扉が干渉せぬよう今回はスライド蝶番を用いています。
      しかし、扉に堀込が必要だったり、施工が大変でしたので、普通の蝶番でもよかったかなと思っています。

  2. バナナ より:

    すみません。
    質問では無いのですがお願いがあります!
    設計図で読めないところがあり私も同じものを真似という形には、なるのですが、作りたいのですが。
    もう一度設計図を数字が見えるよう
    出来れば見やすくお願いします!
    あと、工具の値段は除いて木材だけでおいくらぐらいかかりますでしょうか?
    参考までに教えていただきたいです!
    お手数かけますが、作ってみたいのでお願いします!
    長文ですが、よろしくお願いします!
    失礼します。

    • 25年ぶりのアクアリウム より:

      はじめまして、ご覧くださりありがとうございます。
      60センチの水槽台のほうですよね。
      木材だけですと、1820mmのツーバイフォーが2本3本あれば足りますので、せいぜい合計で1000円もいかないでしょう。
      高いのは天板と底板および側板のパイン集成材で、用いたのは350×18×910mm、これが最低3枚は必要です。(400×18×910mmが4枚の誤りです。)
      こちらのホームセンターだと目安は4650円6,720円ほどですね。
      https://www.kohnan-eshop.com/shop/g/g452283100125503/
      https://www.kohnan-eshop.com/shop/g/g452283100126204/
      設計図は見えやすいようまた後日起こしてみます。

      • バナナ より:

        ありがとうございます。
        お手数をお掛けしてすみません!
        なるべく早めにしていただけると幸いです!
        お時間もあると思うので、無理をせずにできる範囲内でよろしくお願いします。
        インフルエンザが流行っていますので、御気をつけください!
        お願いしているのに、こんなこと言ってしまい申し訳ありません!
        よろしくお願いします!
        では、失礼します!

        • 25年ぶりのアクアリウム より:

          バナナさんこんばんは、図面を次のアドレスのページの「60センチ水槽台の各部材のカット寸法」の見出し部分から載せなおしていますので、ぜひご覧ください。図面はクリックで拡大できるようにしています。
          https://nettai25.com/suisoudai1/
          昨日、2x4材は2本で足りると申し上げましたが、見直していますと3本の誤りでした。私が誤って古いボツの設計図を見ていたようです。
          パイン集成材も350×18×910mmではなく、400×18×910mmを4枚プラス幕板用の細い集成材1枚が必要となります。すでに部材を購入済みでしたらすみませんでした。
          また数字が見えにくかった図面ですが、いくつか訂正すべき場所もありました。再度設計図を確認しましたので、これでこのページの最後に載せている完成品と同一になるはずです。間違いないと思いますが、ぜひご自身でも電卓で確認して作業に移ってください。
          ちなみに、天板を支える中央の508ミリの部材ですが、多くのサイトではタテにして使われていますが、今回はヨコに寝かせて取り付けています。低い水槽台であるため、扉内部を少しでも広くするためです。
          強度的には今のところ問題は感じておりません。
          私もこの水槽台を作り、丸2年使用していますが、全くガタつかず(本当に堅牢です)使いやすい上、愛着も沸くものです。
          不明な点はお気軽にご質問くださいね。それでは、作業は戸外がメインになると思いますが寒いのでインフルなぞ召されませぬよう!

  3. ショウ より:

    はじめまして!こちら参考にさせて頂きながら水槽台を作っております。

    以前のコメントにてスライド蝶番をお使いとのことでしたが、蝶番を取り付ける際、側板(扉ではなく水槽台の方)も加工されましたでしょうか?
    全かぶせタイプのスライド丁番を購入したのですが、側板と扉の厚みが違うため、完成写真にあるように扉がつけられず四苦八苦しております…。
    差し支えなければ、ぜひ取り付け方法について教えて頂けないでしょうか?

    また、他タイプの蝶番でおすすめなどありましたら、参考までに教えて頂けますと幸いです。
    よろしくお願いいたします!

    • 25年ぶりのアクアリウム より:

      ショウ様初めまして、ご覧いただきありがとうございます。

      この水槽台はスライド丁番を使っているのですが、そのままではご指摘の通り側板の柱部分と扉の厚みが異なるので、取り付けることはできません。
      ですのでご紹介してます60センチ水槽台は、スライド丁番の止め位置にかかる柱部分(水槽台のほう)を数センチ削ったうえ扉の厚みと合わせることにより、無理やり取り付けている状態です。

      45センチ水槽台のほうは、スライド丁番の止め位置に柱がかからないよう、うまく逃がしてあるのですが、それでも施工時に丁番の穴合わせがうまくいかず大変苦労した部分です。
      (参考写真1)

      スライド丁番のメリットは、外側から丁番が見えずスッキリすることもそうですが、かぶせ扉にした場合、どの開閉角度においても扉が側板よりはみ出ないというところにあると思います。
      ですので、水槽台の隣に家具や壁をぴったりくっつけて置く(そんな置き方はしないでしょうが)ことがなければ、施工の難しいスライド丁番をあえて用いるメリットはあまりないと思われます。

      一番お勧めなのは、シンプルな丁番と、扉の受けにマグネットキャッチを取り付ける施工方法です。これは小動物のケージ用の台なのですが、シンプルな丁番でも実用上はもちろん、見た目も意外と悪くないと思っておりまして、
      (参考写真2、3、4)
      外側からねじ止めするとさすがに見た目がよろしくないので、内側を削り取り付けています。
      これなら取り付け位置や施工後のイメージもしやすく、丁寧に加工すれば美しく仕上がると思います。
      かぶせの扉だと丁番の見える部分は側板側にくるので、正面から目立たないでしょうし!

      ご参考になれば・・・

      • ショウ より:

        詳しく教えて頂きありがとうございます!お写真や記事の更新までして頂いたおかげで、大変参考になりました。
        やはりスライド丁番の施工は難しいですよね。
        かぶせ扉で進めたいので、勧めて頂いた角丁番を検討してみます。
        ご親切にありがとうございました!