水槽へのCO2の添加

水槽機器
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今回の水槽でやってみたいことがある。水草の栽培。特に水槽の前面に植栽する水草は「リシア」や「スティグマグロッソ」などの緑が絨毯のように広がるという水草をぜひ入れてみたい。
しかし、である。どこの資料を見ても、こういった水草のほとんどが、高光量とCo2の添加が前提になっている、気軽に水槽に入れるには多少ハードルが高い。
筆者もCo2の添加はこれまで経験がなく、いろいろ調べるうちにさまざまな論説があった。以下、わかったことを簡単にまとめると。


①水草は植物と同じように、光合成に二酸化炭素を必要とし、その過程で酸素を放出する。したがって、Co2は水草の光合成と成長に欠かせないという説。

②Co2添加の意義は水草の光合成を促すというより、水槽内の水のペーハーを下げる役割があり、実はそちらのほうが水草の成長に寄与しているという説。

結論:実際のところは、どちらの説が本当なのかはわからない。ただ、はっきりと言えるのは、Co2の添加が水草の育成を促すことには間違いないようだ。


なるほどこれは、水草の育成が苦手だった筆者は半信半疑で試したくなったわけである。うまく水草が育つのであれば使わない手はない。
Co2の添加にはいくつか方法があり要点をまとめてみると次のとおりだ。

 大型ボンベ方式(ミドボン)ボンベ方式
(ミニボンベ)
発酵式
方法酒屋などで使われる液化炭酸ガスのボンベを使う。アクアリウム向けに作られた手のひらサイズのボンベを用いるペットボトルに砂糖水にいれ、イーストを培養する。
メンテナンス頻度ボンベの容量によるが、大きいものは年単位と持ちが長い一般的な添加量で3週間から1カ月程度持つ発酵とともにアルコールが生成されるため、3週間程度で中身を交換する。
添加の安定度非常に安定安定不安定、室温により発酵の進み具合が変わり、生成されるCo2の量が変化
コストボンベは酒屋などで保証金を払いレンタルすることが多い、初期コストはそれなりにかかるが、維持コストは低い初期コストは高め、その後もボンベの交換で維持コストもかかる。身近にあるもので作成できる。初期コスト、維持コストともに低い
導入のしやすさ武骨なデザインの液化炭酸ガスのボンベは気軽に部屋に設置し難いデザイン性にもこだわって作られているものもあるが、高価非常に導入しやすい。材料がペットボトルなど、身近のものなので、見た目が質素。
安全性高圧ボンベの取り扱いには知識が必要。誤った扱いをすると非常に危険。ミニボンベといえど高圧ボンベなので、扱い方によっては危険を伴う。ペットボトルに内圧がかかっていることには注意を払う。

以上のことから判断すると、居間という水槽の設置場所がら、子供たちにいたずらをされかねないし、場合によっては危険も伴うボンベ方式はやめておいたほうがよいだろうと悩んでいた中、Co2の添加としては、不安定な「発酵式」がどうしても気になり、試験的に試してみると予想以上にうまくいった。したがって、最初魅力的に見えたボンベ方式は、脆くも却下案となったのである。


余談 ちょっとこわいお話
ところで、心配性な筆者は、Co2の危険性について調べられずにいられなかった、といのも「Co2中毒」という言葉を何度か耳にしたことがあるのでどうも気になっていた。いくつか思ったことを記しておこう。

大気中には、窒素78.1%、酸素20.95%、アルゴン0.9%、そしてCo2は0.04%含まれ、何しろわれわれも呼吸をする過程においてCo2を吐き出しているので、人体に強い影響を与えるとはあまり考えられないのである。しかしながら、Co2には毒性もあり、その危険性については認識しておかなければならないようだ。

極端な例だが、Co2の濃度による危険性は次の通りだ
”7 % を超えると炭酸ガスナルコーシスのため数分で意識を失う。この状態が継続すると麻酔作用による呼吸中枢抑制のため呼吸が停止し死に至る(二酸化炭素中毒)” 引用元Wikipedia

ちなみに、ミニボンベは手のひらサイズだが、6~70グラムの液化炭酸ガスが充填されており、それがすべて気化すると、35リットル前後のCo2となるらしく、万一大きなガス漏れを起こすと怖い感じもする。

 

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