こちらで実際の作成過程をご紹介しているが、45センチ水槽の作成に当たり、その設計図と作業工程を図式化したので、写真ではわかりにくかった部分を補う意味でご覧いただければ幸いである。
45センチ水槽台完成予想図
やはりツーバイ材むき出しの水槽台はインテリアとしてはちょっとなじまない部分がある。そこで今回の設計は、側面にもパイン材を、また扉も取り付けることにより、収納も兼ね備え、リビングにおいてもそこそこ馴染むデザインとしたつもりである。
これが完成予想図となる。
木取り図
1×4材の加工
上図は必要となる木材について示したものだ。上から3本は1×4材だ。ホームセンターにはたいてい1820mmサイズの1x4材が販売されていると思うので、それだと3本で足りる計算となる。
切り出すサイズは、
- 434 3本
- 396 2本
- 331 2本
- 314 4本
- 312 2本
(単位はすべてミリメートル)
である、なお、実践編では、前柱に張り出しの部材(下部の写真参照)が取り付けてあるが、設計ソフトの都合上、表現しづらかったため、その部分は省略してある。ご了承願いたい。ただし、取り付ける場合も1x4材の3本目の余りで作成は可能だ。
パイン集成材(板材)の加工
1x4材以外はパイン集成材という板材を用いる。必要数は次の通りだ、
- 492x350 2枚(側面)
- 470x350 2枚(天板および底板)
- 420x234 2枚(扉)
- 470x100 1枚(幕板)
である、無駄のないよう、実際販売されている板のサイズをもとに組み合わせて購入する必要がある。
天板の下受け部分の作成
では図面をもとに作成手順をご紹介する。まず初めに作成するのが、天板が乗る部分の骨組み部分だ、この部分は天板を水平に取り付けできるかに直結する部分なので、慎重な木材カットと木ねじ止めを行う必要がある。今回は接着にボンドも併用した。
コーナークランプなどを使い、直角に組み付ける
木ねじを打つときは、必ず下穴加工する
柱本体の組み立て
この工程は、先に作った天板の下受け部分とそれを支える柱、底板と接する部分を組み立てていく。
木ねじ止めができない部分もあるため、そこは木ダボと木工用ボンドで接着していくこととなる。
側板の取り付け
次にパイン材の側板を取り付ける。この部分は木ねじではなくボルトを使用した。ボルトだと締め直しが効くので、長期間強度を保てるかと思ったのと、今は予定にないが、将来的に分解、サイズの改変にも対応できるのではないかと考えたからだ。パイン材は1×4材と比べて単価が高くなるだけ再利用したいというのも理由の一つだ。
ボルトを取り付けるための穴だが、左右合わせて16箇所の穴あけが必要だ。これには、ボルトサイズより若干大きめの穴をまず貫通させ、さらにボルトの頭が入り込むほどの一回り大きな穴を加工した。
表現がわかりにくく恐縮だが、以下の写真のように加工すれば良い、二つのサイズのドリルを用い穴あけを行う。こういった穴あけの専用のドリル刃もあるのだが、これだけに購入するのももったいなかったので、ここは経費を削減した。
天板と底板の取り付け
ここまでくればだいぶ形になってくる。天板も底板も先の説明通り、再利用を可能とするため、木ねじやボンドは使用せず、木ダボで固定し、L字金具で補強した。注意が必要なのは、天板と底板は、側板ではなく、1x4材の柱部分に取り付けるということだ。
幕板の取り付け
水槽台の顔ともいえる正面上部にはパイン材の幕板を取り付けた。これも美しく仕上げるためには正面からねじ止めは行いたくないところ、幕板側に鬼目ナットをねじ込み、裏の柱側から鬼目ナットに合うサイズのビスで止めることとした。
前面扉の取り付け
いよいよ前面扉の取り付けだ、今回はスライド蝶番を用いている。もちろんドアーなどに用いられる普通の蝶番でも使用できるのだが、普通の蝶番は扉を開いたとき、扉の軸部分が左右に飛び出す形となる。簡単に言うと水槽台の横にぴったし何かをくっつけておくと、扉が干渉し開かなくなるのだ。
スライド蝶番は隣に台をくっつけて設置しても、隣と干渉しあうことのないように作られている、欠点は施工が大変なこと、扉側には、蝶番に合ったサイズの穴(26mmや35mmなどとかなり大きな穴が必要)をあける必要があるからだ。施工は専用のドリルがないと無理である。
隣との干渉を気にすることがないなら、施工の簡単な一般的な蝶番を使ったほうが良いと思う。
45センチ水槽台の完成
こちらが完成した実物品だ。まだまだ素人の域は出ないのだが、頑丈で長く使っていけそうな台に仕上がった。
写真での解説はこちらをご覧いただきたい
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