ソイルはあえて使わない-45センチ水槽の再セットアップ-

45センチサブ水槽
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新たな水槽台に45センチ水槽をセットアップする

前回、新たに45センチ水槽台を作成したところで、早速水槽を立ち上げ、ストックしていた水草をレイアウトしていくこととした。

では構成を紹介しよう。

照明は「エーハイムLEDライト」というエーハイム謹製のLEDライト、45センチ水槽に2灯でちょうどよい照度が得られる。すでに廃盤となっているのが残念だが、水面からかなりリフトアップすることもできるので、水槽内の手入れがしやすく気に入っている。

点灯はタイマーで制御、照明時間は8時間を中3時間の消灯を挟んで設定してある。

ヒーターは100ワットをサーモスタット制御する。温度は26度とした。

フィルターもエーハイム社製アクアコンパクト 2004、これも残念ながら廃盤となったがまだまだ調子よく作動する。流量は60~360/h、ろ過容積は1リットルだ。

ホースは12ミリの細身。
ホースのセットアップのときのコツだが、お湯で温めてやわらかくしてからフィルターの吸水出水口にねじ込む。

そして今回この水槽の最大の特徴がこれである。

大磯砂の底床で水草水槽に挑戦したい

底床に大磯砂(おおいそ)を用いることだ。

大磯砂とは、昔からアクアリウムで使われてきた底床で、5ミリ程度の石の粒状のものである。したがってゴシゴシ洗ってもソイルのように崩れることはなく、半永久的に使用が可能だ。当然ソイルのように養分は含まないため、施肥の仕方が成功のカギを握る。

水草水槽はソイルが当たり前は本当か?

ソイルの扱いは意外と面倒

水草水槽を始めるのに最適な底床はソイルであるというのが、近年の常識だといっても過言ではないだろう。実のところ、私もアクアリウムに復帰してからはソイルというものに初めて触れ、水草の育ち具合に効果があったことは間違いないと考えている。

しかし、水草水槽はソイル一択という論調からはたいていの場合、ソイルの寿命も併せて語られていることが多い。ソイルが寿命を迎えるということは、すなわち水槽のリセットを意味するのだ。

様々なレイアウトを短期間で入れ替え楽しむというスタイルのアクアリストには抵抗なく受け入れられるだろうが、細く長く趣味として楽しむスタイルのアクアリストには、大変な労力を要す水槽リセットを短期間で繰り返すのはやはり少々敷居が高い。

はたしてソイルの使用は水草水槽を始めるのに、特に初めてアクアリウムに挑戦するようなシーンで第一選択肢となりえるのだろうか・・・

循環型の環境が構築できているか

水槽をベストな環境で維持できるかどうかは、水草をうまく水槽環境になじませ、ろ過や照明などの装置と一体になった循環型の環境が構築できるかどうかということである。いわば、自然環境を水槽の中に再現するという行為に近いのだ。

ソイルは言ってみれば水草が成長するのに適しすぎた底床でもある。すなわち、水槽立ち上げ直後から水草はソイルの力により、成長が強力に促進されている状態なのだ。

そのため、底床以外の部分、ろ過や照明、施肥、水替え頻度などの周辺環境とのバランスがなかなか見えずらく、本来の意味で水槽内の循環型の環境が(ソイルの力に助けられることによって)かえって構築しにくいのではないかというのが私なりの考えだ。

したがって、ソイルの水草の成長促進作用に頼らず、単体では水草の成長に影響を及ぼさない底床を用い、まずは循環型の水槽環境の構築を念頭に、ろ過や照明、施肥、水替え頻度などの周辺環境のバランス感覚を学習することが重要だと感じるのだ。

ただ、完全にソイルの使用を否定するのではない、場合による使い分けは必要なのではないかと思う。

現在私は60センチ規格水槽にマスターサンド、今回の45センチ水槽に大磯砂と2本の水槽を運用しているが、今休眠中の20センチ水槽には、ウォーターローンを使ったレイアウトを試してみたいと考えている。その際はピンセットによる植栽が容易なため、ソイルを用いることとなるだろう。

ちなみにマスターサンドは、多孔質の溶岩石の粒のため、互いにかみ合うことで、ピンセットが低床にうまく入りにくい、そのため、有茎草の植栽ははっきりいって困難である。

マスターサンドという選択

マスターサンドとは、富士砂や溶岩砂とも呼ばれる底床素材で、表面が多孔質なのが特徴である。多孔質ゆえ、バクテリアの定着に適しており、底面フィルターと組み合わせれば、ろ過に絶大な効果を発揮する。基本的に強く力を加えてもつぶれるようなことはないので、長期的に使用していける底床素材である。

しかし、先ほども述べたように、水草の植栽には、あまり適しておらず、特に有茎草をピンセットで植えこんでいくような作業には全く向かない。なぜなら、マスターサンドは、多孔質の溶岩席の粒であるがゆえ互いにかみ合い、ピンセットの先を通してくれないからである。

クリプトコリネや、エキノドルスなど、比較的根がしっかりとした水草なら何とか植え込みは可能だ。

今回、少し前から60センチ水槽を立ち上げたのだが、ソイルを用いていた時にはパッとしなかったクリプトコリネもマスターサンドなら、しっかりと根を張り、ランナーをのばしどんどん株を増やしていったのだ。そういった例から考えれば、適切な環境さえ与えてやれば大磯砂でもマスターサンドでも水草は十分育つはずだ。

今回実験的に大磯を用いた水草水槽を試みるのは以上の理由からである。
ちなみに大磯砂は、ピンセットも低床にきちんとささるため、有茎草の植え込みにも大きく支障はない。

マスターサンド 10kg 溶岩石系 溶岩石底床 『ソイル・砂・砂利』

ソイルでなくともしっかりと成長したクリプトコリネ

初回投入の水草

ボルビティス ヒュッデロッティ

水草の初回投入は、活着系の水草をメインにまずは水槽内の環境を整えるところからスタートする。

ボルビティス ヒュッデロッティ、気が付けば新芽の先端部分がにょきにょきと縦横無尽に出てくるので思ったより大型化する。

ミクロソリウム本ナロー

それから流木に生い茂ったミクロソリウム本ナロー、レイアウトの中空を埋めるアイテムとして意外と使える。

これらを大磯の45センチ水槽にレイアウトしていった・・・

やっぱりストックしておいた水草を大胆にカットしてレイアウトしただけあって見栄えがしない!

とりあえずの1か月経過の様子

1か月後にはこのようになじんできた、当然これで完成ではないので、これから少しずつ手を加えていこうとしよう。

越冬したグリーンロタラを使ってみたい

次回はこいつを投入したい。グリーンロタラである。これはこちらのページでも紹介しているように戸外で越冬させ新芽が出てきたものを用いるが、光量とソイルからの養分が成長には最適であると思われる陽性水草だ。

追記:その後グリーンロタラの植栽を行った。底床に大磯を用いて育てた結果はこちらだ

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ショートヘアグラスも越冬組の水草

さらに、前景草にこれを使い、きれいに繁茂、維持できたら今回の計画については成功としたい。

ショートヘアグラスも戸外で越冬保管させたものなので、この水槽で繁茂させることができれば、この2種の水草は半永久保存も可能だということが同時に証明できる。

はたしてうまくいくだろうか・・

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