60センチ水槽台の自作~図面編~

60センチ規格水槽
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重心の低い地震対策型水槽台を作る

前回、60センチ水槽をリニューアルすべく水槽リセット作業をしたところであるが、ひとまず水槽のことは忘れて、水槽台の作成に注力することとした。今回の自作の目的は、できるだけ堅牢かつ昨今の地震災害における揺れにも強い台を作ることだ。設計は、ネットで紹介されている作例を手本に私なり改変し使いやすくしたものとなるが、同じような目的で自作される方にとって参考になればと思い、作成過程をまとめていくこととする。

なお、当然ながら水槽は重量物であるため、作製の如何によっては、水槽台としての十分な強度を果たせず、大惨事につながることもある。この辺りは自己の責任においてご参考いただきたいと思う。

図面とデザイン

デザインはネットでよく紹介されている2x4材を組み合わせたものにさらにパイン材を貼り付け補強し、前面にも扉をつけることとした。
パイン材の木目も生かし、見た目も自然でスッキリとしたデザインを目指す。
なお、重心を低くするためキャビネット内の広さは犠牲となっているため、ある程度の高さを必要とする外部フィルターは機種を選ぶだろう。

骨格材料はすべてホームセンターで入手できる2x4材とし、天板と床と接する底板、及び扉は18mm厚のパイン集成材とした。

サイズは幅に余裕を持たせるため620mm×400mmx468mmとした。60センチ規格水槽だと天板の前後には10センチの余裕、横方向には2センチの余裕が出る。
水槽台は水槽のサイズとジャストフィットするより、多少の余裕があったほうがメンテナンスなどの作業もやり易いと思う。

今回用いる材料は主に長さが1820mmの2x4材、入手は簡単だが、品質によりサイズに若干のずれがあったり、節が多かったり、反ったりしているものもあるので、しっかりとした品質のものを選びたい。ちなみに、2x4の規格はミリに直すと38mmx89mmが一般的だが、ものによっては誤差があるかもしれないので、購入の際はしっかり木材の径も確認しておいたほうがいい。各木材に1mmの誤差があっただけで完成サイズが数ミリ違ってくるのだ。

60センチ水槽台の各部材のカット寸法

では、各部材のカット寸法について木取り図をご覧いただきたいと思う。まずは、水槽台の骨格部分となる2x4材である。

先にも触れたとおり、規格サイズの1820mmの2x4材なら3本で足りる計算になる。下図はクリックかタップで拡大できる。

2x4材カット寸法

天板を支える部分

  • 584mm 2本
  • 324mm 2本
  • 508mm 1本

タテに配置する柱部分

  • 341mm 2本
  • 252mm 2本

底板との接地部分

  • 584mm 1本
  • 273mm 2本

パイン集成材カット寸法

次にパイン集成材だ。板材のサイズは、うまく組み合わせることで無駄なく使うことができるが、一般的により長さが長いほうが割安になると思う。

例えば、910mmを2枚買うより、1820mmサイズを1枚買ったほうが安上がりになる傾向がある。

この辺は、入手できる板材の長さを確認して購入枚数を決めていただきたい。

今回は、ホームセンターでも入手しやすく、車での搬送もしやすい910mmサイズで木取り図を作ってある。

天板と底板および側板

天板

  • 620mmx400mm 1枚

底板

  • 620mmx400mm 1枚

側板

  • 430mmx400mm 2枚

扉と幕板

扉とその上につく幕板部分は、正面から一番目立つ位置の部材なので、とりわけ丁寧な仕上げを心掛けた。

  • 358mmx308mm 2枚

幕板(扉の上の部分の部材)

  • 100mmx620mm 1枚

無事カットいただけただろうか?

なお、くれぐれもご注意だが、この水槽台は耐震性も確保するため、高さをかなり抑えてある。使える外部フィルターの機種が限定されるので、その点だけは十分に検討願いたい。

ちなみに私がこの水槽台で使用している外部フィルターは下記の機種だ。60センチ規格水槽用で調べた限りでは、これ以外の外部フィルターは高さ制限をクリアできないようだ。

おそらく定番のエーハイム クラシック2213は高さ制限で引っかかる。(実は2213よりもvx-60のほうがろ過容積が0.5リットル大きく大容量なので私は問題ないと判断している。ただしインペラーの出来はエーハイムのほうに軍配が上がると感じる。)

こだわればむしろ割高な自作水槽台

2x4材だけで見ると長さ1820mmのものでせいぜい350円~400円程度だろうから、3本で1200円前後だろう、これだけ見るなら水槽台が格安で準備できると思いがちだが、実際は天板やねじ類、塗装、DIYの上での消耗品など合わせると市販の水槽台の数倍は費用がかかると見込んでもいいかもしれない。

それでも自作するメリットとはなにか?いうことになるが、自分の意のままにサイズを決められることや、配線や各器具の設置までこだわった設置環境ができること、大きな声では言いにくいが、市販品以上に堅牢な台ができたこと(その分重量もあるが…)などなど・・・完成まで2か月を要したが、結果として満足している。次回は実際の作成工程をご紹介したいと思う。

コメント

  1. エコ より:

    拝見させていただきました。
    大変参考になります!
    是非これと同じ水槽台を作りたいのですが
    日の字の枠と柱4本はどの様にビス止めしてあるのでしょうか?

    • 25年ぶりのアクアリウム より:

      はじめまして、ご高覧ありがとうございます。
      日の字枠と柱は上下に木ダボを用いボンド固定してあるのみなんですよ。

      オーソドックスな自作水槽台の柱は、外と内との2本セット、計8本使い日の字の枠と柱をビス止めしていますが、この水槽台の柱は4本で、外柱の代わりに側板を用いています。

      側板と日の字枠、柱をボルト締めすると、非常に強度のある台ができると思います。
      側板の取り付けやボルト締めは、こちらの45センチ水槽台の設計図をご覧いただくと良いかと思います。
      https://nettai25.com/45suisoudai-sekkei/

      わかりにくい説明で恐縮ですがご参考まで。